需要と供給 2020 3 14
「利下げでは解決しない」
最近は、新型コロナウイルスの感染拡大で、
経済の面を心配する声が多くなってきました。
そこで、利下げをする国が出てきましたが、
今回の場合は、リーマン・ショックのような、
「金融危機」ではありませんので、利下げは効力がありません。
今回の場合は、「需要」が消えた、
あるいは、「需要」が縮小したので、利下げは、「場違い」です。
このような状況で、借金をして消費を拡大することはありません。
今回の「コロナ不況」は、
金融危機ではなく、「需要」の危機です。
このような場合は、財政政策が必要です。
財政政策が必要な局面で、金融政策のみ行えば、
「恐慌」は避けられるかもしれませんが、
デフレは進行します。
「需要」より「供給」が多い場合は、
「経済的な調整」が行われるでしょう。
急に供給側を減らすことはできませんので、
価格的な調整が行われることになります。
つまり、商品価格を下げて需要を喚起するのです。
たとえば、ホテルの宿泊客が激減した。
ここで利下げをしても効果がないのは明白です。
こうなると、宿泊料金を値下げして、
20,000円→10,000円→5,000円となるかもしれません。
いつかは、需要(宿泊客)が現れるでしょう。
しかし、ホテル経営は赤字となり、
役員や従業員の給料カットで当面は持ちこたえられても、
やがて倒産するのは、見えています。
新型コロナウイルスが季節性ではなく、通年型だからです。
もちろん、スーパーマーケットの経営も安全ではありません。
マスクやトイレットペーパーの需要は旺盛でも、
他の商品の需要は減少しているからです。
感染の拡大によって、消費者は、不要不急の外出は避ける傾向にあります。
こうなると、鉄道などのサービスに対する需要は減少します。
次に、不要不急の外出を避けることから、
不要不急の買い物は避けることにつながります。
しかし、不要不急の買い物こそ、利幅が大きく、
スーパーやデパートの儲けにつながります。
「借金のコツ」
借金をする時は、金利が低い時には大きく借りて、
金利が高い時は、借りない。
今は、金利がとてつもなく低い時期なので、
「借金需要」が増えるはずですが、
民間の経済心理(不安心理)が大きく、
「借金需要」は増えませんので、利下げは、効果がないのです。